浦島コンプレックス―ラフカディオ・ハーンの交友と文学―
イギリス人で日本に帰化した小説家、小泉八雲ことラフカディオ・ハーン。ギリシャで生まれたハーンは、父母の離婚で大叔母に育てられるなど不遇な幼年時代を送り、19歳の時、アメリカに渡り新聞記者などを経て、1890年に来日。中学や大学教師などを務め、松江出身の小泉セツと結婚、日本に帰化した。日本での14年間は教師と作家の二足のわらじを履いていたが、執筆意欲おう盛で数々の作品を残した。
本書は、波乱に富んだハーンの人生を交友と文学の二つの側面から検証している。「浦島」が好きなハーンは、乙姫のもとに戻れない浦島に、幼い日の自分の姿を重ね合わせ、禁を破って玉手箱を開いたのに、日本人から同情される浦島をうらやましいと思った。著者は、そうした思いこそがハーンの創作の中心になるものとして、浦島コンプレックスと呼んだ。
本書は、波乱に富んだハーンの人生を交友と文学の二つの側面から検証している。「浦島」が好きなハーンは、乙姫のもとに戻れない浦島に、幼い日の自分の姿を重ね合わせ、禁を破って玉手箱を開いたのに、日本人から同情される浦島をうらやましいと思った。著者は、そうした思いこそがハーンの創作の中心になるものとして、浦島コンプレックスと呼んだ。
書籍名 | 浦島コンプレックス―ラフカディオ・ハーンの交友と文学― |
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著者名 | 日本大学国際関係学部教授 梅本順子・著 |
月号 | 2000年夏季号 No.84 |
価格 | 2,800円(税別) |
出版社情報 | 東京都新宿区山吹町361、南雲堂 |